北海道の港町の歩み

はじめに

当NPOの、みなとの文化研究室は、取り組みの一環として、明治前後から昭和初期(戦後直後)における北海道の動きと、北海道の主な港町の動き、さらに函館・小樽・室蘭・釧路・根室・稚内・留萌・網走・紋別・十勝(広尾)の各港の動きを整理し、下記の3つの年表に取りまとめました。

北海道の各港の歴史を、年表形式で並べて閲覧できる今回の取り組みによって、北海道の開拓がいかに速いスピードで進められていたかが一目瞭然となりました。

  1. 北海道の港町の歩み【北海道と北海道の港町の歩み】
  2. 北海道の港町の歩み【函館港・小樽港・室蘭港・釧路港】
  3. 北海道の港町の歩み【根室港・稚内港・留萌港・網走港・紋別港・十勝港】

本年表は、令和3年(2021)2月12日に発行された著書『北海道みなとまちの歴史 廣井勇が育んだ北の日本近代築港』及び同書巻末の年表を基本に、更に、参考文献に示す各地の市史、各港の港湾建設史等を参照し、各港別の港の発展の歴史がそれぞれ時系列的に比較できるように、独自に再構成、再編集したものです。

この関口氏の著作は、近代築港の父、廣井勇が、自ら道内の港湾開発を指導し、大きく発展した港湾技術とともに、函館・小樽・室蘭・釧路・留萌・苫小牧の各港が、いつ・どこで・どのような理由で建設に至り、築港に伴い発展した産業経済と港町の過程を記述した歴史書です。

古来、港町は、国内外問わず多くの人々が行き交い、物資と貨幣が集散する商いの中心地である。明治を迎えると港の周辺は、商社や銀行が軒を連ね、物資だけでなく情報収集の拠点でもありました。

しかし、汽船が航路開設された明治中期になっても、日本の港町の多くは、天然の地形を利用して船舶を停泊させ、小舟で陸と連絡する旧来の海上輸送だけに留まっていました。

大きく変化したのは、西洋で生まれた科学と技術による近代築港学が我が国に移植されてからであり、その恩恵を最も享受したのが「北海道開拓」でした。

函館・小樽に点された近代築港の灯が、全道に広がり、近代築港の科学と技術は廣井勇の直弟子たちによって北海道の各港で実践され、洗練されながら普及していきました。

時代を駆け抜けた技術者の気概とともに、急速に発展する国のかたちの一片が凝縮されていることを本著作は分かりやすく解説しており、更にご興味・ご関心のある方は是非ご一読をお薦めする良書です。

引用|北海道みなとまちの歴史 関口 信一郎(著) - 亜璃西社 | 版元ドットコム https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784906740444

主な参考文献等

  • 「北海道みなとまちの歴史 廣井勇が育んだ北の日本近代築港」著者:関口信一郎/発行:亜璃西社/発行日:令和3年(2021)2月12日
  • 「函館市史 年表編」発行:函館市/発行日:平成19年(2007)2月28日
  • 「小樽市史 年表編」発行:小樽市/発行日:昭和28年(1953)12月10日
  • 「釧路市史総合年表」発行:釧路市/発行日:昭和50年(1975)9月25日
  • 「釧路市史 年表」発行:釧路市役所/発行日:昭和32年(1957)9月15日
  • 「新修釧路市史 第四巻資料編」発行:釧路市/発行日:平成9年(1997)3月31日
  • 「釧路港建設史」発行:釧路港湾建設事務所/発行日:平成10年(1998)3月
  • 「根室市史 年表」発行:根室市/発行日:昭和63年3月20日
  • 「根室港建設史」発行:釧路開発建設部/発行日:平成17年(2005)3月
  • 「稚内市史」発行:稚内市/発行日:昭和43年(1968)12月20日
  • 「稚内百年史」発行:稚内市百年史編さん委員会/発行日:昭和53年(1978)10月30日
  • 「稚内港の変遷」発行:稚内港湾建設事務所/発行日:昭和62年(1987)3月
  • 「新留萌市史 資料編」発行:留萌市/発行日:平成15年(2003)3月31日
  • 「黎明の留萌港」発行:留萌港湾建設事務所/発行日:平成13年(2001)3月
  • 「網走市史 年表」発行:網走市 企画総務部 総務課/発行日:平成20年(2008)3月
  • 「網走市史 上巻」発行:網走市役所/発行日:昭和33年(1958)5月
  • 「新修紋別市史」発行:紋別市/発行日:平成19年(2007)3月31日
  • 「紋別百科事典」発行:紋別百科事典編纂委員会/発行日:平成17年(2005)3月31日
  • 「オホーツクの港もんべつ」発行:(株)オホーツク設計/発行日:平成3年(1991)2月
  • 「新広尾町史 第三巻」発行:広尾町役場/発行日:昭和57年(1982)9月20日
  • 「十勝港建設史」発行:帯広開発建設部/発行日:平成18年(2006)3月
  • 「新北海道史 第九巻史料三」発行:北海道/発行日:昭和55年(1980)11月30日
  • 国土交通省北海道開発局HP(港湾・空港→北海道のみなと→各みなとの紹介)https://www.hkd.mlit.go.jp/ky/kk/kou_kei/ud49g7000000kikg.html
  • 小樽市公式ホームページ|自然と人が紡ぐ笑顔あふれるまち | 小樽市 https://www.city.otaru.lg.jp/
  • 函館市公式サイト:トップページ - City of Hakodate | 函館市 https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/
  • 室蘭市ホームページ http://www.city.muroran.lg.jp/
  • 釧路市ホームページ https://www.city.kushiro.lg.jp/
  • 根室市公式サイト/朝日にいちばん近い街 https://www.city.nemuro.hokkaido.jp/index.html
  • 稚内市ホームページ https://www.city.wakkanai.hokkaido.jp/
  • 留萌市ホームページ https://www.e-rumoi.jp/
  • 網走市公式サイト - 豊かな自然にひと・もの・まちが輝く健康都市 https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/
  • 紋別市ホームページhttps://mombetsu.jp/
  • 広尾町ホームページ https://www.town.hiroo.lg.jp/

新規会員を募集しています

新規会員を募集しています

私たちは、北海道のみなとを支える人々のことをサポートし、次世代に伝える活動を行っています。
また、会員の皆様の会費によって、助成金活動などの運営費を賄っています。
北海道のみなとを共に盛り上げ、会の趣旨にご賛同いただける方はぜひご登録をお願いいたします。